「配当金を受け取りながら資産を増やしたい」──そう考える投資家にとって、高配当株は魅力的な選択肢です。
しかし、配当金には税金がかかるため、何も対策をしなければ思ったほどの手取りにならないことも。そこで今回は、高配当株を活用しつつ、節税を最大限に活かす方法を具体的に解説します。
高配当株とは?
高配当株とは、株価に対して配当金の割合(配当利回り)が高い銘柄のことです。
配当利回り3%以上を一つの目安として、高配当株と見なされることが一般的です。
高配当株のメリット
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安定したインカムゲイン(定期収入)が得られる
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長期保有に向いており、資産形成に効果的
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企業によっては連続増配など、株主還元意識が高い
高配当株投資にかかる税金とは?
配当金には、所得税15.315% + 住民税5% の合計20.315%の税金が自動的に源泉徴収されます。
たとえば年間10万円の配当金を得ても、実際の手取りは約8万円程度です。
この差を埋めるには、「節税制度」を上手く使いこなす必要があります。
高配当株×節税テクニック3選
1. NISA(新NISA)を活用する
2024年からスタートした「新NISA」では、配当金や売却益に対する税金が非課税になります。
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成長投資枠・つみたて投資枠どちらでも利用可能
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配当金再投資でも複利効果が大きい
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高配当ETFもNISA口座で購入可能
→ 非課税枠の範囲内で高配当株を運用すれば、税金ゼロで利益を得られるのが最大の魅力。
2. 配当控除を活用する(課税口座の場合)
特定口座(源泉徴収あり)で配当を受け取った場合でも、確定申告で配当控除を申請すれば、実質的な節税が可能です。
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所得税と住民税から一部が控除
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年収が少ない人ほどメリット大
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副業や自営業の人に特に有利
3. 法人化して配当収入を受け取る
ある程度の資産規模がある場合、「法人」を設立し、法人名義で高配当株を保有することで節税効果が期待できます。
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役員報酬や経費処理が可能
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法人税の実効税率の方が低いケースも
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配当所得が一定額を超える人に有効
おすすめの高配当株(日本株編)
銘柄 | 業種 | 配当利回り | 特徴 |
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三菱HCキャピタル | 金融 | 約4.8% | 増配実績が安定 |
日本たばこ産業(JT) | 食品 | 約5.2% | 配当維持力が高い |
オリックス | サービス | 約4.5% | 自社株買いと増配あり |
KDDI | 通信 | 約3.6% | 安定成長と高配当 |
高配当株でありがちな失敗と対策
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高利回りだけで選んでしまう
→ 利回りが高すぎる銘柄は「減配リスク」も高いため、業績・配当性向を確認しましょう。 -
税制を把握せずに買いすぎる
→ NISA枠を超えた投資は税金が発生します。適切な枠管理が重要です。 -
短期売買で配当を逃す
→ 配当権利確定日に保有していないと配当がもらえないため、購入タイミングも意識しましょう。
よくある質問(高配当株×節税編)
Q1. 高配当株はNISAと相性がいいのですか?
はい。NISAは配当金が非課税になるため、特に相性が良い投資先です。
Q2. 年収が低いのですが、配当控除は受けられますか?
はい。むしろ年収が低い人ほど配当控除の効果が大きくなります。確定申告をお忘れなく。
Q3. ETFでも節税は可能ですか?
新NISA枠内で購入すればETFの分配金も非課税になります。
Q4. 法人化ってハードル高くないですか?
確かに設立費や事務手続きは必要ですが、年間数百万円の配当収入があるなら検討の価値があります。
Q5. 高配当株はいつ買えばいいですか?
配当権利確定日直前は株価が上がる傾向があるため、少し前のタイミングが狙い目です。
まとめ
高配当株は、長期的に安定した収入を得られる優れた投資手段ですが、「節税制度」と組み合わせることで、効果は倍増します。
まずは、NISA口座の活用から始め、配当控除や将来的な法人化も視野に入れながら、自分の投資スタイルに合った形で取り入れていきましょう。